10月7日 句会報告

 10月1回目の句会が行われました。今回の兼題は「蟲」「秋の七草」でした。
秋の七草といえば「女郎花(おみなえし)」「尾花(おばな)」「桔梗(ききょう)」「撫子(なでしこ)」「藤袴(ふじばかま)」「葛(くず)」「萩(はぎ)」です。“といえば”などと知った風ですが、春の七草は言えても秋の七草は言えませんでした。無知というのは恥ずかしいものですが、知識が増えるというのは嬉しいものです。

藤袴
藤袴

 
さて、まずは今回の高得点句から。

虫の音や開いたまゝの方丈記
            松井誠司

 
「無常観を感じる。」
「“開いたまま”というところに、“人の気配があるが不在”という雰囲気が出ていて面白い。」
一方で「無常観を表わすものなら『方丈記』ではない本でも成り立つのでは?」「ツキすぎの感じがする。」
というような意見も出ました。
 恩田侑布子は
「句として綺麗だが、“開いたまま”というところに既視感を感じ、雰囲気になってしまっている。いい俳句だけにもったいない。この風景に作者ならではの発見があるはずだから、そこを中七にして推敲てみてはどうか」と鑑賞しました。
 
続いて、想像力を掻き立てられた話題句です。
 

虫時雨彼岸此岸の湯あみせし
           藤田まゆみ

 
「秋の夜長にお風呂に入り気持ちよくなって、あの世とこの世を行ったり来たりしているイメージ。」
「仏事のことかと思った。お彼岸にお墓を洗っている?」
という意見が出ました。
 恩田侑布子は「“彼岸此岸(ひがんしがん)”という言葉が強すぎて、句が上ずってしまっているように感じた。重い言葉に感動が見合っていない。」
とい感想を述べました。

 
 
 次回の兼題は「団栗(どんぐり)・~寒」です。秋空を満喫する暇もなく、今年は寒さがやってきそうですね。寒いのは大嫌いですが、寒さの中に俳句の尻尾を探せると思えば外に出ていけるでしょうか?!
正直、団栗を頬張って冬眠の準備に入りたい気持ちでいっぱいです…(山田とも恵)

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