恩田侑布子の新連載『俳句』「偏愛俳人館」に 嬉しいお便りをいただきました

2020 濱田さん

photo by 侑布子  


恩田侑布子の連載『俳句』3月号「偏愛俳人館」の第二回竹久夢二に心のこもったお便りをいただきました。
 
 
月刊『俳句』3月号の、「淡雪の肌合い――竹久夢二」、拝読致しました。
今回も、新たな啓示を頂き、ありがとうございました。竹久夢二が俳句とかくも深い関わりがあったこと、驚きました。
特に最期の二句、
  木枯や隣の室の鍵の音
  魚になりて眠りさめには雪明り
に胸を打たれます。恩田様の評論、
《輪廻転生をこれほど清らかに表象した例を知りません。その原初のたましいは男でも女でもなく水中の流体でした。だれも傷つけないやさしい一匹のいろくずだったのです》
一句から、人間存在の輪廻転生に及ぶここまでの深さと広がりのある鑑賞にしみじみと浸りました。私も魚になったようにしばしまどろんでいたい思いになりました。本当に名鑑賞です。また、次号の偏愛俳人館も楽しみにしています。

濱田さだこ

 

濱田さだこさま

それこそ深いご感想をありがとうございます。
夢二の絵は少女時代から大好きで、雪のなかで手袋を外すロマンチックなハンカチなど、色褪せるまで使い古しました。
私自身、夢二がこんなに素晴らしい俳句を作っていたことは平成6年、夢二句集が出るまで何も存じませんでした。
濱田さだこさまのように、俳句でも夢二の理解者が増えてくだされば、著者冥利に尽きます。
夢二のこころのプリミティブな優しさを共感し合えて幸せです。ありがとうございます。

恩田侑布子

 
 
 
濱田様からは、『俳句』2月号「偏愛俳人館」の第一回飯田蛇笏にもこんな嬉しいお便りをいただいております。
 
『俳句』二月号の、偏愛俳人館を拝読しました。
蛇笏の俳句の凄さを再認識するとともに、生の円環運動、という言葉に集約する恩田氏の感性の深淵な広がりに感銘を受けました。
月刊俳句において、近来に無い面白い連載です。次号もとても期待し楽しみにしています。

濱田さだこ

  
 
濵田様ありがとうございました。
今後とも「偏愛俳人館」をご愛読いただき、ご批評等賜りたくよろしくお願い申し上げます。

恩田侑布子

 

「恩田侑布子の新連載『俳句』「偏愛俳人館」に 嬉しいお便りをいただきました」への2件のフィードバック

  1. 偏愛俳人館「竹久夢二」何度も読ませて頂きました。文章には詩のように凝縮され正鵠を射た言葉が散りばめられており正に感嘆と感動でした。そして、俳句の鑑賞では、自分には思いもよらない着想、分析の深さ、優しさ、説得力にぐんぐん引き込まれました。俳句は鑑賞によって輝くということが、面白いように解り、楽しくなりました。有り難うございました。

  2. 『俳句』9月号の<偏愛俳人館「橋閒石」>を読ませて頂き。久々に快哉、驚愕、元気に包まれました。私は和田悟朗ファン、橋閒石ファンです。
    ・快哉=一般的の評論は、敬意を表する人には敬意を表し放し、褒め殺しで不自然極まりない。しかし、侑布子さんの筆は敬意は勿論ながら、メリハリある是々非々が、根拠と共に示されていて、鮮やか且つ新鮮。
    ・驚愕=橋閒石にして、平凡な時代があったと知ったこと。初老期にして充実が始まったと知ったこと。
    ・元気=「ゴールが見えてきたところで、ひとりの老人がそれまでの冴えない足取りを翻し」という閒石への描写の的確さと切れの良さ。侑布子さんの文章からエネルギーをいっぱい貰いました。これから一層元気に俳句を作って行く元気が出てきました!ありがとう、侑布子さん。

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