7月2回目の句会が行われました。今回の兼題は「蜘蛛(の囲)」「植ゑ」「昼顔」。
恥ずかしながら「蜘蛛」が夏の季語であるということを初めて知りました。冬にも家の中で見ることはあった気がしますが、言われてみると梅雨の頃になると蜘蛛の巣に顔をつっこむ確率が上がる気がします。
「梅雨明け宣言」など聞かなくても身体がまず感じ取った季節感覚を取り戻したいものです。
さて、まずは今回の高得点句から。
廃線路尽き昼顔の浄土かな
杉山雅子
「風景がよく見える」
「栄えた後の静けさ、切なさを感じた」
「作者は昼顔の淡いピンク色を浄土の色と見たのかもしれない」という意見が出ました。
それぞれ句から読み取ったイメージは驚くほど一致していました。
恩田侑布子は、合評の皆の解釈が揃っていることからもとてもよく書かれているのはわかるが、美しい光景はすべて「浄土かな」で片付いてしまいがち。その光景を自分なりの言葉で捕まえて来てほしい。と激励していました。
一同それぞれ胸に刻む言葉でした。
続いて、今回の句会で話題になった句です。
きゆるきゆると自転車鳴るや梅雨曇
西垣 穣
「“きゆるきゆる”から梅雨の湿り気のある空気を感じる」
「自転車には一人で乗っている気もするし、子供を乗せているのかも?句の世界が広がって面白い」
「きゆるきゆるという音がちょっと不穏な感じがする」という意見が出ました。
恩田侑布子は、
「晴れ晴れとはしないが、雨も降らずに“なんとかもってる”、自転車もブレーキがうるさいが“なんとかもってる”、そして作者も…。
もってくれているんだから、儲けもんじゃないか、というような句だと思う。自転車も歳もすべてほころびた感じ。でも悪くないじゃん!というなんの理屈もない感受が句に命を吹き込んでいる」と鑑賞しました。
若輩者としてはとても勇気づけられる句でした。
次回の兼題は「ひまわり」「夏服」です。夏ならではの兼題ですが、月並みなことしかパっと浮かばないのでこれは気を付けなければならない兼題です。よく観察して自分なりの言葉を見つけたいと思います。(山田とも恵)