2023年10月22日 樸句会特選句
岡部町、大龍勢
先駆けの子らの口上天高し
先駆けの子らの口上天高し
前島裕子
昼の部だけで龍勢花火十二本が打ち上がる。先鞭をつけるのは、地元の小学校の児童たちだ。「朝比奈にみんなの笑顔咲きほこれ 大望の龍 大空そめて」伸びやかで気持ちの良い口上が櫓の高みから、秋空に刈田に響きわたってゆく。「先駆け」は「世の魁」と掛けられ、衰退国日本の暗雲を吹き飛ばしておくれという期待と祈りがこもる。まさに雲一つない「天高し」である。はたして、期待を背負った第一号はぐんぐんと山稜を凌いで舞い上がったのであった。
(選 ・鑑賞 恩田侑布子)
(選 ・鑑賞 恩田侑布子)