2024年 7月21日 樸句会特選句
ソーダ水越しに種馬あらはるる
芹沢雄太郎
あざやかな景にドキッとする句です。サラブレットの種牡馬の彫刻的な美しさがソーダ水の向こうにいきなり颯爽と現れます。種馬となるまでの競争の苛烈さ、あて馬の過酷な運命など、一切の夾雑物を捨象して、目の前に青く泡立つソーダ水だけを置いた、切り取り方の新しさ。選りすぐりの遺伝子を持つ馬の精悍な筋肉は、ダービーの世界の華やかさと儚さを際立せています。
(選 ・鑑賞 恩田侑布子)
(選 ・鑑賞 恩田侑布子)