
photo by 侑布子 2025年4月13日 樸俳句会特選句 亀鳴くや巴御前の吐息のせ 金森三夢 樸の春の吟行会は近江でした。まずは義仲寺へ芭蕉のお墓参り。膳所市中の小さな境内は、奥の翁堂まで、ところ狭しと草木が芽吹き、箱庭のような路地裏のようななつかしさです。奥から芭蕉塚、義仲の塔、巴御前の小塚と並びます。巴御前は勇猛に義仲を助けた女武者として有名ですが、執事の谷高さんの説明では岐阜山中で義仲の菩提を弔って九十一歳まで生きたとのこと。側室であり武将であった前半生と、義仲亡きあとの尼僧としての長い晩年と。巴御前がひとり遺された「吐息」に、「亀鳴くや」という非現実の季語が韻き、歴史に刻まれた華やかな運命からの暗転と、一人の女性としての感情の輻輳に思いを誘います。 (選・鑑賞 恩田侑布子)

(YouTube「俳句の百科事典 ハイクロペディア」より)
夢のような「酔眼朦朧湯煙句会」に遊び、俳句の楽しさに酔い痴れた若き日。その句会で詠んだ「ジーンズに腰骨入るる薄暑かな」をはじめ、半生を振り返ったとき、忘れ得ない句がいくつもあるという。そのうちから十句を厳選し、語り尽くした「恩田侑布子自選十句」。春の一夕、名聞き役の蜂谷一人氏(元NHK俳句ディレクター)を自宅にお迎えして収録したものをご厚意に甘え当会HPにても公開いたします。
蜂谷一人氏を江戸期の古民家である自宅にお迎えして
YouTube ハイクロペディア「恩田侑布子自選十句」より
1 ジーンズ
2 茅の輪振る
3 銀の鱗
4 月の川なりに
5 河童の皿
6 ぼんくらの恋
7 長城に白シャツ
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蜂谷一人氏の暖かいお人柄に触れ、少女のような饒舌さで自句を語る恩田侑布子ですが、樸俳句会での指導においても、その熱量は何ら変わりません。圧倒的な知識と天衣無縫な想像力が産み出す恩田の鑑賞は、時として作り手の意図を超える次元へ一句を引き上げます。樸会員になると、あなたの俳句に恩田侑布子の鑑賞がコラボするトキメキが味わえます。
樸の活動は月2回のZoom句会がメイン。これから俳句を始めたい方大歓迎のアットホームな会です。無料体験はこちらから
代表・恩田侑布子。ZOOM会議にて原則第1・第3日曜の13:30-16:30に開催。