photo by 侑布子
三光鳥月日はづんでなんぼなる
恩田侑布子
(『現代俳句』「百景共吟」 2025年5月号)
百景共吟の五句で
三光鳥月日はづんでなんぼなる
の「三光鳥」にひかれた。
何年か前に岡部町の玉露の里で、その尾だけを見た。残念ながら全身は見えず、鳴き声も聞けなかったと記憶している。先日、今はどうなっているのか行ってみたが、それらしき気配はみうけられなかった。
それでは電子辞書でこえだけでもと思い、聞いてみた。
『ツキヒホシ ホイホイホイ』
何度か聞いているうちに、何か楽しく、明るい気持ちになってきた。
そんななか、句を読み返してみた。すると、「月日」は人生、「はづむ(ん)」は思いきって何かをする、「なんぼなる」はすることに価値がある。『人生、思い切って何かすることに価値があるんだよ』と「三光鳥」が励ましてくれている、などとかってな考えが浮かんできた。この句は、そんな一つの生き方をさし示してくれているように思えてきた。
久しぶりの一句鑑賞。一語一語かみしめ、恩田の意図するところは?と、深く考えることができた。