あらき歳時記 薄暑

ぷしゅるしゅる1-1
            

photo by 侑布子

 

2021年5月9日 樸句会特選句

 


  ぷしゆるしゆるプルトップ開く街薄暑 

                      萩倉  誠

  「ぷしゆるしゆる」のオノマトペが抜群の効果を上げています。街路樹はポプラでしょうか。梧桐でしょうか。目路のはてまで若葉がきらきらし、吹きわたる風もここちよいです。この句は内容とリズムが相乗効果を織りなします。九つのU音に、ラ行の「る」が三たび回転するリズミカルな音楽性は、自販機で炭酸飲料を買ってアルミのプルトップを引く軽快感であり、はつ夏のいきおいそのものです。若い身空の単独行でしょう。自由な気分が薄暑の街にはじけます。
                      (選 ・鑑賞   恩田侑布子)

 

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