六月の第一回目の句会が行われました^^
今回の特選句をご紹介いたします。なんとも美味しそうな、元気の出る作品です!
なお以下の写真は、恩田侑布子の手作りの、新茶と雪の下の天ぷらです。新茶の天ぷらとは、いかにも静岡らしいですね^^(大井佐久矢)
特選
鯵刺身五島列島育ちかな
原木栖苑
真鯵とか室鯵という魚そのものではなく、調理され食卓に供された「鯵刺身」だから成功した句。まず上五で、皿に盛り付けられた薄い銀色ののこる新鮮な鯵の刺身の映像がうかぶ。次いで、五島列島の島々をとりまく青海原も思い浮かぶ。ところが、座五に逆襲が待っている。「育ちかな」と、まるで海の男、あらあらしい野生児のような言い方で、この刺身のイキのよさを讃えて終わるのである。芭蕉の「行て帰る心の味也」で、初句に帰れば、人間も鯵も生まれて死んでゆく、同じ土俵だよと、作者の腹の据わりぶりがこころ憎い。まさにイキのいい俳句。
(選句・鑑賞 恩田侑布子)
鯵刺身五島列島育ちかな
原木栖苑
真鯵とか室鯵という魚そのものではなく、調理され食卓に供された「鯵刺身」だから成功した句。まず上五で、皿に盛り付けられた薄い銀色ののこる新鮮な鯵の刺身の映像がうかぶ。次いで、五島列島の島々をとりまく青海原も思い浮かぶ。ところが、座五に逆襲が待っている。「育ちかな」と、まるで海の男、あらあらしい野生児のような言い方で、この刺身のイキのよさを讃えて終わるのである。芭蕉の「行て帰る心の味也」で、初句に帰れば、人間も鯵も生まれて死んでゆく、同じ土俵だよと、作者の腹の据わりぶりがこころ憎い。まさにイキのいい俳句。
(選句・鑑賞 恩田侑布子)