ペットボトルと野遊び

20200309 金森さん2

photo by 侑布子  


樸俳句会の新会員・金森三夢さんの投稿をご紹介します。
 

ペットボトルと野遊び

金森三夢

 水ぬるむ季節の到来です。年金生活者の私ですが、貧しき者も富む者も、自然は平等にその魅力を享受させてくれます。私はリュックにでっかい塩むすびをひとつと、ペットボトルに水道水を詰め凍らせスナフキンのカバーに入れ、句帳と歳時記とともに出発します。
 自然からの瑞々しい息吹をキャッチし、絵描きさんがスケッチをするように、句帳に季節からのメッセージを自分だけの言の葉でデッサンしてゆきます。色付け(推敲)は帰ってからのお楽しみ。連れ歩くペットボトルはかの伊藤園さんから頂戴した愚生の句の載ったマイボトル。30年ほど前に公募がスタートした「おーいお茶」俳句の第一回に面白半分で投句し佳作の末席に胡坐をかいた
 
 銀杏散る神宮の杜初デート    
 
という迷句以来ご無沙汰していた投句を、呆け防止のためにNHKで句の独学を始めた10年前から再チャレンジ。ペットボトル掲載の確率は130分の1程度ですから、そんなに難しくはありませんね。NHKテキストに投句される方は真剣に俳句に精進されている方々ですが、「お茶」の方は初心者やお遊び気分の方もきっと多いので、掲載の確率はかなり高くなります。
 ちなみに愚生の句でこれまでにボトルに載ったのは
 
 また一年頼むぜ祖母の種袋  
 
 年金で十八切符山笑う    
 
 漂白を海月に習ふ余生かな   
 
 以上の3句。いずれもプレバトに出せば凡人第5位程度のものです。佳作特別賞になるとボトル1ケース(24本)がゲットできますので、自分のネーム入りのボトルをお供に彷徨するのも一興ですよ。次回は散文から韻文へをテーマに恩師の詩と俳句をご紹介致したいと存じます。

2020年3月  かなもりすりーむ(樸会員)

「ペットボトルと野遊び」への2件のフィードバック

  1.  スリームさんを代表に推薦して以来、目を合わせられない海野です(笑)。楽しいエッセイですねぇ・・。生き上手な方とお見受けしました!自然は本当に平等ですが、思い切って出掛けて行かないとなかなか触れ合えません。春です!私も負けずに出掛けるぞ(^^)/

    1. 海野二美 様
       温かいコメント有難うございました。駄作でエッセイのハードルがかなり下がりました。今までの四作が立派過ぎましたから・・・。どうか皆様、お気軽に投稿よろしくお願い致します。代表は正直荷が重いです。代々代表(松井代表の代理の代理)くらいの感じで汗をかきます。ご支援よろしく。三夢

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