↑ クリックすると拡大します 吾よりも高きに蝿や五(こ)六億七(ろ)千萬年(な)後も 弥勒菩薩の衆生救済までの時間と、コロナウィルスとに架橋したとんでもないルビに思わず笑わされる。 そして粛然とさせられる。 人類は地球を汚しデジタルマネーで文化の均一化までも目論んでいる。コロナ禍は地球からの逆襲である。はるかな未来の人の頭上にも一匹の蝿は悠然と飛ぶであろう。人間の卑小さへの洞察が悠久の文明批評となったポストコロナの秀句である。 未知の大きさをもって、堀田季何はしなやかに走り続けるであろう。現実は完結しない。そのリアルな切断から目が離せない。 堀田季何第四詩歌集/人類の午後 枝折『畫想夜夢』 恩田侑布子「夢魔の哲学−ポストコロナへ」より抜粋