
第16回一茶・山頭火俳句大会(11月8日 本行寺) 鳥居真里子入選 はればれと無才のまゝをゆく枯野 見原万智子 恩田侑布子入選 返り花佳い人に逢ひに行くのさ 見原万智子 熊倉功夫・恩田侑布子対談「茶の湯と俳諧」俳句大会 (11月9日 静岡県立ふじのくに茶の郷ミュージアム) 「富士」 恩田侑布子特選 風止まるどの植田にも逆さ富士 成松聡美 「茶の花」 恩田侑布子入選 あのころの母に吾似てお茶の花 山本綾子

山本綾子 樸会員 牧之原の茶畑を雨粒がしっとりと濡らす令和7年11月9日。ふじのくに茶の都ミュージアムにて熊倉功夫館長と恩田侑布子先生による対談「茶の湯と俳諧」が開かれた。 「静岡が誇る俳人であり文芸評論家である——」。熊倉館長による恩田先生の紹介から会は始まった。 続いて、事前公募で投句された75名265句の中から選ばれた特選3句、入選12句が1句ずつスクリーンに映し出された。兼題の「茶」「茶の花」「富士」の斡旋により風土が滲む句が並ぶ。 ご自身の鑑賞をまとめたメモが行方不明になるという小さなハプニング。静岡弁で慌て者を意味する「あわっくい」という言葉も飛び出し、恩田先生の飾らないお人柄に会場の空気が和んだのち、1句ずつ選の理由が披露された。 深い共感性、郷土愛、人間愛による鑑賞が瑞々しい言葉で紡がれる。私自身日頃感じている静岡への敬慕をますます募らせる時間となった。 また、句の中にある、切れによる余白、時空を超えた句柄の大きさ、言葉選びの盤石さなど、俳句文芸特有の表現法にも触れた。学んでいる人にもそうでない人にも、その奥深さや面白さが伝わるお話だった。 熊倉館長と恩田先生の対談では「茶の湯と俳諧」の関係性が語られた。 ・茶の湯に精通した伊賀の藤堂家に仕えたことによる芭蕉の作句への影響 ・茶の湯におけるにじり口、扇など「結界」を意味する様式と俳句の「切れ」の共通性 ・茶の湯の「一座建立」、俳句の「座の文芸」に象徴される日本人特有の「衆の文化」 etc. お二人の知識と考察力により内容は広がりと深みを増し、大変聞き応えのある時間となった。 終了後は恩田先生との記念撮影を希望する参加者の列ができた。 豊かな日本文化の歴史と機微に触れる実り多き会となった。 個人的には樸句会で2年半培った知識により、どうにかお二人のお話についていけた自分に少しの満足感を得た。書き留めた調べるべきことの多さに、底なし沼であがいているような気持ちにもなり、己の無知を知った。勉学心を刺激し続けるだろう俳句と恩田先生に改めて感謝の念が湧いた。

日本文化史学者 熊倉功夫氏と 樸代表 恩田侑布子の対談へお越しください 馬に寝て残務月遠し茶のけぶり 小夜の中山を過ぎ、芭蕉がこう詠んだのは、静岡県有数のお茶の産地 金谷の里でした。 その金谷(島田市)で、茶の湯と俳諧の奥深い関係性に触れる対談を、お聞きになりませんか? 登壇するのは、茶道史研究の第一人者である日本文化史学者の熊倉功夫氏(和食文化国民会議名誉会長)と、若き日に茶陶作家を目指した経験を持つ、樸代表の恩田侑布子(静岡新聞俳壇選者)。 当日は、静岡の自然や文物を詠んだ俳句についての対談のほか、前もって募集した俳句の中から恩田が選句した作品を、いくつかご紹介し鑑賞します。 【日時】2025年11月9日(日) 13:30~15:00予定(受付13時~) 【場所】ふじのくに茶の都ミュージアム 1階多目的ホール 【アクセス】JR金谷駅からバス・タクシーで約5分、徒歩約25分 【参加費】当日の観覧券(一般300円)が必要です 【定員】80名(事前予約制) 【観覧申込方法】ふじのくに電子申請サービス またはFAX: 0547-46-5007にてお申込みください *くわしくは下のチラシまたはホームページをご覧ください 対談で紹介する俳句を募集します 【題】・「茶」(季節自由) 「茶の花」(初冬) ・「富士山」または「富士」(季節自由) 【締切】令和7年9月15日(必着) 【応募点数】お一人最大10句まで 自作・未発表に限ります 【応募方法】① ネットから ② FAX ③ ハガキ *くわしくは下のチラシまたはホームページをご覧ください *当日、紹介できるのは応募作品の一部です *俳句をご応募されなくてもご観覧いただけます 投句用紙をダウンロード→出力してお使いいただけます ふじのくに電子申請サービス