
photo by 侑布子 2025年2月23日 樸句会特選句 暮れてなほ弾む句会や花こぶし 益田隆久 句座はいつもながら俳句談義に盛り上がり、締めの時刻が過ぎても終わる気配がありません。日永とはいえ、外には夕闇が迫ります。窓辺の白いこぶしの花が残んの青空を背景に、白くちらちらと光を留め、かがやきます。その姿はまるで私たちのよう。俳談が尽きないのは、欲も得もなく一句に共鳴して、自分がまるで作者になり変わったかのように俳句の世界に入り込んでしまうから。俳句を楽しむ純粋な思いを春風に揺れる花こぶしによそえて、思いを分かち合う清談のよろこびを伝えます。句姿も内容に沿ってじつに美しい。 (選・鑑賞 恩田侑布子)