photo by 侑布子
2024年 8月4日 樸句会特選句
ギターの音川面に溶けて爆心地
古田秀
なだらかで平易な十二音のあとに、「原爆忌」という規定の季語を使わず、「爆心地」を据えたことで一挙に衝撃が生まれました。原爆で殺された市民を慰霊するささやかな手作りのコンサートでしょうか。かつて「水を」「水をください」と死んでいった火傷の被災者の弊れ臥した川面に、やさしいギターの音色が溶け込みます。そこはまさに「爆心地」。
(選 ・鑑賞 恩田侑布子)
(選 ・鑑賞 恩田侑布子)