
おかげさまで、伊丹市での桂信子賞受賞記念講演に思いがけないご好評を頂き、「ぜひ東京でも」と黒田杏子先生(桂信子賞選考委員)よりお誘いを受け、以下のように藍生俳句会の皆さまのお力添えによって再演させていただく運びとなりました。
講演内容は、フランス3都市で好評を博した講演の東京初演となります。
お忙しいところ恐縮ですが、ご光来いただければ幸甚に存じます。
恩田侑布子 演題 「花と富士 日本の美と時間のパラドクス」
講師 恩田侑布子
俳句朗読と、パワーポイントによる講演
と き 平成30年4月8日(日) 15時〜16時半頃
ところ 文京シビックセンター3階 会議室
〒112-0003
東京都文京区春日1丁目16-21
東京メトロ後楽園駅・
丸ノ内線(4a・5番出口)
南北線(5番出口) 徒歩1分
都営地下鉄春日駅三田線・大江戸線
(文京シビックセンター連絡口)
徒歩1分
JR総武線水道橋駅東口 徒歩9分
主 催 「藍生」俳句会(黒田杏子主宰)
聴講料 一般無料 ◯ おんだ・ゆうこ プロフィール
昭和31年静岡市生まれ。俳人・文芸評論家。2013年芸術評論『余白の祭』で第23回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。翌年1月パリ日本文化会館での記念講演「感情の華 恋と俳句」が好評を博す。同12月、パリ日本文化会館客員教授として再渡仏。コレージュ・ド・フランスでの講演「俳句・他者への開け」、リヨン第Ⅲ大学・エクスマルセイユ大学・パリ日本文化会館での講演「花の俳句 日本の美と時間のパラドクス」が熱く迎えられる。2016年度芸術選奨文部科学大臣賞を句集『夢洗ひ』で受賞。2017年現代俳句協会賞、2018年桂信子賞を受賞。他句集に『イワンの馬鹿の恋』『振り返る馬』『空塵秘抄』。「樸(あらき)」代表。現代俳句協会賞選考委員。日本文藝家協会会員、国際俳句交流協会会員。

樸俳句会代表の恩田侑布子が第9回桂信子賞を受賞することになりました。
「桂信子賞」は柿衛(かきもり)文庫(伊丹市)が主催する俳句賞で、優れた女性俳人に対して贈られるものです。
恩田は、芸術選奨文部科学大臣賞、現代俳句協会賞に続く受賞となります。
「句集『夢洗ひ』だけでなく、これまでの俳人としての歩みを評価されたことがとても嬉しいです」と恩田は述べています。
樸俳句会一同お祝いを申し上げます。 公益財団法人柿衞文庫HP
http://www.kakimori.jp/
(画像をクリックすると拡大します)

2018戸田書店オリジナルノートカレンダーに樸俳句会員の作品が掲載されています。
(戸田書店さんは静岡県静岡市に本店があり、全国に30店舗以上展開しています。ノートカレンダーは各店舗で無料で貰うことができます) (選・恩田侑布子)
1月 富士浮かせ草木虫魚初茜
恩田侑布子
2月 街路樹のまだ影薄き余寒かな
久保田利昭
3月 朝日入る一膳飯屋わかめ汁
佐藤宣雄
〃 割れ易き父の爪切る春の昼
森田 薫
4月 昼酒の蕎麦屋に長居柳の芽
伊藤重之
〃 妻と子は動物園へ春障子
西垣 譲
5月 仏間にも母の面影大牡丹
塚本敏正
〃 口笛を鋤きこむ父の夏畑
大井佐久矢
6月 風立ちて竹林にはか夏日影
松井誠司
7月 アリランの国まで架けよ虹の橋
杉山雅子
〃 パラソルを廻しつゝ約束の時
樋口千鶴子
8月 貝風鈴カウンセリング始まれり
山本正幸
9月 哲学を打ち消す夜半のすいつちよん
山田とも恵
10月 秋うらら窓に一列指人形
戸田聰子
11月 通されし仏間の脇のからすうり
藤田まゆみ
12月
ディラン問ふ 「How do you feel」(どんな気分)と枯野道
萩倉 誠
〃 鍋帽子かぶせて待つや大みそか
原木裕子

2018年(平成30年)から日曜日の句会を新設します。
新入会員募集中です。平日お仕事や学業で忙しい若い方大歓迎! ♡♡
樸(あらき)では、老若男女(30代~80代)の方々が、俳句を鑑賞し、句作を楽しんでいます。
句会の雰囲気は、なごやか、ほんわか、にこやか、のびやか、そして時に熱い!
楽しく自由な樸の仲間があなたをお待ちしています。♡♡ ☆ 日々の感動を五七五にのせて表現してみませんか。
☆ 恩田侑布子にあなたの句を鑑賞してもらいませんか。
☆ 恩田侑布子と一緒に名句を鑑賞しませんか。 樸(あらき)俳句会
日 時 毎月第1日曜日・第4水曜日
13:30~16:30
会 場 静岡市葵区東草深町3−6 アイセル21
※ 月1回のみの参加も可能です。 ※連絡先は、メニューボタンから「句会の開催日時と場所」をクリックして、連絡窓口をご覧ください。

第91回「声のライブラリー」―自作朗読と座談会―
平成29年11月11日(土)日本近代文学館にて開催します。
朗読:高橋睦郎/恩田侑布子
司会:伊藤比呂美
当日の映像は“声のライブラリー”に長きにわたって保管されます。
ぜひ、お越しください。

恩田侑布子の自作朗読会のお知らせです。
静岡から遠く離れて、東京・駒場での開催です。
現代俳句をリードし続ける高橋睦郎氏と恩田侑布子が自作の句を朗読し、その映像は“声のライブラリー”に長きにわたって保管されるとのこと。
とても貴重な会になりそうです。
朗読の後には座談会も。
ぜひ、お越しください。 =======
第91回「声のライブラリー」―自作朗読と座談会― 朗読 高橋睦郎/恩田侑布子
司会 伊藤比呂美
日時 11月11日(土)14時〜16時(開場13時30分)
場所 日本近代文学館・講堂
(京王井の頭線 駒場東大前駅 徒歩7分)
料金 2100円(会員1900円/学生1600円)
定員 80名(先着順・全席自由) ※申込方法※
郵便振替をご利用ください。
折り返し受講券をお送りいたします。 ≪郵便振替≫通信欄に「声のライブラリー」と明記の上、
2,100円を下記口座宛にご送金ください。 口座記号番号:00140-0-47730
加入者名:公益財団法人 日本近代文学館 日本近代文学館「声のライブラリー」HP
http://www.bungakukan.or.jp/lecture/voices/

樸俳句会代表・恩田侑布子の芸術選奨受賞記念講演会が、6月24日(土)静岡県男女参画センター「あざれあ」にて行われました。
「あざれあ」大会議室の定員144席が満席となり、大盛況でした。静岡県俳句協会の幹部の方からも、 例年にないことと喜ばれました。
講演は、恩田侑布子の深い学識をベースに、多角的に俳句の本質に迫るもので、熱心にメモを取る聴衆の姿がありました。
恩田撮影の美しい写真がパワーポイントで映し出され、参加者は視覚的にも恩田の世界に誘われたことを特記したいと思います。 講演参加者の感想及び講演の目次を以下に掲載しました。 講演を聴いて 感想
◎難しい内容でしたが興味深く拝聴しました。同行した友人達は教養のある方々なので、参加して良かったと言っていました。
恩田侑布子の句作のバックボーンにシンパシーを感じました。 ◎ 中身の濃い講演でした。同道した者の感想は、「恩田先生は少女のようなお声をされている!」 でした。
講演の中の「俳句拝殿説」は評論集『余白の祭』でも一章を割いておられます。この章が本日のご講演のキモとなったのではないでしょうか。
唯識思想には全く暗い私ですが、改めて勉強への意欲をかきたてられました。また自句自解もとても興味深く聴かせていただきました。 ◎ お話の前半ではワイルドの「獄中記」、「観無量寿経」、「成唯識論」、「荘子」など出席の皆さんには馴染みのない古典が次々に紹介されて、
例えてみれば、見知らぬ木々のそれぞれに目を取られている間に、俳句という森全体を見失ったところがあるのではないかと思いました。
後半は、作句の秘密の一端を解き明かされた貴重なお話だったと思います。また、スライドの写真も工夫されてよかったです。 ◎韋提希夫人とか四諦とか無量寿経など、何時か言葉として聞いたことがあるのですが、ほとんど脳に残っていません。
でも、なんとなくイメージは湧いてきました。また、往還との言葉に「弥陀の回向成就して 往相還相 ふたつなり」との言葉を思い出しました。
人間が生きていることについての根本的な問いでしょうね。
恩田侑布子のすごいところは、話に引用したいくつもの「根拠」を、俳句という領域に収斂し体系的にとらえていることだと思います。
そして、「俳句」ということから、今度は逆に各領域に想を広げていることだと思います。改めて「句に含まれている背景の深さ」を感じました。 ◎貴重なご講演を拝聴させて戴き有難うございました。私なりにいくつかのキーワードを心に留め、俳句の奥深さを感じ取ることが出来る講演でした。
全体としては一章ごとにテーマ分けされていたことがとても聴き易くノートも取り易かったです。
「言葉に引きずられてものをみてはいないか」「絶望感、厭世観は自我のためである」「混沌のほとりへの往還」「切れにより他者に開かれる」他、
いずれも俳句ワールドの深部へと繋がる大変興味深いお話で、「お能と俳句」についてはまた何かの機会にもっと詳しくお聴き出来ましたら幸いです。 講演会目次
第一章 俳句の三本柱
一本目の柱 五七五定型詩
二本目の柱 季語
三本目の柱 切れ 第二章 俳句の精神
☆悲哀その可能性と「さび」--二冊の本
◎オスカー・ワイルド『獄中記』、
『観無量寿経』
◎「さび」 人肌のぬくもりの背後に、「無」という寂滅の世界がひそむ
☆自己認識の無--唯識
☆「荘子」の萬物斉同と表現行為
☆俳句拝殿説(『余白の祭』) 第三章 俳句と日本語・日本文化(恩田侑布子の作品から)
1 日本の行事と俳句
天の枢(とぼそ)ゆるがす鉾を回しけり 2 表記 ひらがなと漢字
くろかみのうねりをひろふかるたかな
こないとこでなにいうてんねん冬の沼
醍醐山薬師堂裏鼬罠
石抛る石は吾なり天の川 3 引用とひねり
酢牡蠣吸ふ天(あま)の沼矛(ぬぼこ)のひとしづく
越え来(きた)るうゐのおく山湯婆(たんぽ)抱く 4〈近代的自我〉の表現を超えて
~人称の乗り入れ、他者への開け~
落石のみな途中なり秋の富士
わが視野の外から外へ冬かもめ
長城に白シャツを上げ授乳せり
夏野ゆく死者の一人を杖として
この亀裂白息をもて飛べといふ
男来て出口を訊けり大枯野 終章 他者の心身を待つ芸術
俳句は一緒に揺らぎそよぐ他者への開け。日常は、異界と乗換(コレスポンダンス)する。
切れて大いなるものとつながり、他者と交歓する。
人称も時制も曖昧、変幻自在な日本語と日本文化がそれを保証している。

毎週水曜日、静岡新聞夕刊一面に掲載される「窓辺」というエッセイ欄を、当俳句会代表の恩田侑布子が7月5日(水)より三か月間担当することになりました。
ぜひご覧ください!
代表・恩田侑布子。ZOOM会議にて原則第1・第3日曜の13:30-16:30に開催。