注目の一冊・高橋睦郎『花や鳥』

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photo by 侑布子

 名刀のにえさながらに磨き上げられた措辞に、一句一句は虚実すら超えて、冥と明の境に佇立する。刀身の鎬のゆるやかな反りが鋒の虚空へ溶ける生と死の狂おしさ。狂狷の高貴。装丁も、花の枝に金銀の撒き砂子、帯の沈金がゆかしく美しい。

(恩田侑布子)


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