注目の一冊・柿本多映『ひめむかし』

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photo by 侑布子

 悠々たる自在境。発想がこの世を三尺離れている。イマジネーションの飛躍は柔らかみと鋭さを併せ持ち、独特の娑婆っ気がスパイスを添える。蛇笏賞受賞から三年後の、おん年九十二歳。幻視者としての俳人・柿本多映が屹立する句集である。

(恩田侑布子・謹選評)


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